経済事情格差が生む教育格差
日本の教育システムは、公的機関となる学校と私的機関となる塾が、相補システムとして機能しているからこそ何とか維持されているという意見があります。ただここで見落としてはいけないことがあります。学校は少なくとも小学校~中学校までは義務教育という受ける機会を各家庭の経済状況に関わらず与えられているのに対し、塾はたとえ「無理して何とか教育費を工面する」と言われる通常の家庭も有れば、それさえ許されない家庭の子供には通塾の機会さえ与えられないという事です。この経済格差により同様の教育が受けられるかどうか変わってくると言えることです。ただ、そのような格差を少しでも埋められるような施策もありますが、それも完全ではありません。また、経済格差だけが、最難関国立大学はじめ有名国公立・私立大学という有力大学に入学できる可能性の高い子供を育てているとは限らないという指摘もあります。それでは他に何があるのかという問いに対する答えは、「学歴というものに対する親の意識」であると言う知識人もいます。いずれにしても、そのような教育格差の是正には、塾や私立の教育機関を無くせばいい、という極論にならないことははっきりしていると言っていいでしょう。どのような教育システムが子供たち自身にも、社会にも良いのかという模索を続いていくのは間違いなさそうです。